投資契約の注意点

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調達

何のためのnote

  • 株式による調達手法選択の論点がわかる
  • 初回調達時の致命的なミスを事前に把握できる
 

このnoteで詳しく書かないこと

  • 投資契約の基礎は↓を読めば外観が分かる
  • 資本政策表フォーマット by プライマルキャピタル
  • CNやクラファンなどエクイティ以外による調達方法
  • 網羅的な契約事項
  • *事実確認は弁護士に

調達手法選択の論点

シード期の調達は大体
  • 株式の種類
    • 優先株 or j-kiss
  • 優先株
    • 参加 or 非参加
  • J-KISS
    • キャップ + ディスカウント or キャップ or ディスカウント or 両方無し
 

優先株 or J-KISS

乱暴な言い方をすると
  • 最速で調達したい:J-KISS
  • それ以外:優先株
理由
  • J-KISSのメリットは雛形決まってるから、VC−起業家間で調整する契約項目が少ない* こと
    • 日本だと周知進んでなくて結局時間がかかる例も。
    • アメリカだと投資家の競争が激しく短期間でコミットしないとラウンドに入れないなどがある
  • Val決めなくていいって話もあるが、Capを設定したらVal決めたのと同義
    • ブリッジラウンドなどは決めない場合も
  • J-KISSが普及したら、シード期はJ-KISS調達が基本になるかも知れない
    • 一方でJ-KISSにすると次のラウンドの交渉コストが高い

優先株:参加 or 非参加

乱暴な言い方をすると
  • 非参加型のほうが創業者が得られる残余財産は多い
  • ダウンサイドリスク(小さいEXIT)を投資家が重視すれば参加型で合意する場合も
残余財産分配請求権の話(精算, M&Aした時)
  • 参加:優先株主に投資した額*X倍の残余財産分けた後、創業者と株主で分ける
  • 非参加:優先株主に対する優先的な残余財産の分配*を行った後にさらに残余財産がある場合でも追加的な分配を受けない
    • *優先分配額 or 普通株式に転換した場合の額 の大きい額の分配だったり、元本と利息相当分だったりする
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J-KISS:キャップ + ディスカウント or キャップ or ディスカウント or 両方無し

  • 投資家有利順に並べると
    • キャップ + ディスカウント > キャップ or ディスカウント > 両方無し
条件の話
  • キャップ + ディスカウント
    • キャップ or ディスカウントの分かれ目は?
      • シリーズ A 時点のプレマネバリューが、シード時点のポストマネバリュ ー(時価総額)の1.25倍であり、それ以下であると、 Discount 方式の株価が選択される(ディスカウントレート20%の場合)
    • YCの雛形だとキャップ + ディスカウントは存在しない
      • 起業家有利なエコシステムだからなのか?
  • キャップ
    • 投資家にとって:次のラウンドの際、決めたcapのvalで入れるということなので優先株式での調達と変わらない
  • ディスカウント
    • 投資家にとって:valが超上がっちゃったら、損

注意すべきこと:TBU

  • 創業株主間契約を結んでいるか?
  • 株主比率が経営を主体に設計されているか?
 
 
参考資料
 
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